泥のように
心底つかれてしまった、泥になりたい。
泥のように眠りたいという言葉があるが、眠ったところでなにも解決しないし、どうせ朝が来てしまうのならそれならいっそ泥になりたい。
ぐにゃぐにゃと柔らかくて、もったりとした存在になりたい。
誰かの結果を努力不足だと責めるのはもうやめた。やめたからこそ行き場のない気持ち、そこは堪えて飲み込むしかない、他の誰かだってきっとわたしにそういった思いを抱えているかもしれないから。
何度言っても直らないことを永遠に言うことに神経を擦り減らしすぎた。つらい。言う方も威圧的な言い方にならないよう、怒りたいところを我慢して、特性として出来ないものなんだ、仕方ないんだとひたすらに耐えている。きっとわたしの見えないところで努力はしているんだ、それを理解せずに怒ってしまうのは、他の部員が言うように良くないことだろう。でも、しんどい。
いつでも頼ってよ、抱え込まないで。
あまりにも簡単に言われるが、別に特定の誰かに愚痴を言いたいわけでもないのだ。ただただ抱えている感情を少しでも下ろしたくて。それに、わたしがしんどいと言ったら、あなたたちはストレスを感じるじゃない、辞めたいと言うじゃない。そんな人たちにわたしの思いを言えると思うのか、ただでさえ辞めたいつらいもうやっていけないと言う人にそんなことが言えるのか。
それにこんなこと言ったって、なにも解決しない。いくら何度も本人達に言っても解決しないことを他人に言って一体どうなる?頑張って欲しいね、結局それだけだ。
人の上に立つ者として、まとめる者としてやっていけるか自信がない。なんとかなるだろう、よくそうやって誤魔化しているが、いつ倒れてしまうかわからない。でもやっていくしかない。部長になったからには休部なんて許されないし、かわいい後輩もいる。
普段は元気なのに、たまに死にかけてしまう。情けないな、と思う。なんでこんなに頑張れないんだろう、弱いんだろうと自分をほんの少し責めてしまう。
十分頑張っていると思う。もっと肩の力を抜いて楽に生きればいいのに。そう思う。終電に乗って、一人で考え込まなくてもいい。自分の責任だ、なんて思わなくてもいい。自分一人でも頑張らないと、なんて思わなくていい。
一歩引いてみればそう思えるはずなのに、どうしても真剣ゆえに命を燃やすように神経を削り生きている気がする。もっと楽な人間になりたい。
最近、自分の趣味に大きなお金を払った。
ほとんど初めてのことだった。
生まれて初めてファンクラブに入会した。
自分の好きなもののためにお金を使ってもいいんだと初めて思えた。
自分のしたいことを優先させて、ライブに行くことにした。
ずっと我慢していた反動だろう、これぐらい自分にご褒美をあげたってバチは当たらない。
定演まで、1週間を切った。色々と不安も不満もある。どれだけ不快にさせないように、自分の思ったことを言えるか、頑張りたいと思う。